がん患者の身体面に対するアプローチとして大きな役割を果たしているのはリハビリテーションです.2011年の診療報酬改定でがん患者リハビリテーション料が制定されて以来,多くの医療施設で入院がん患者に対するリハビリテーションが行われるようになり,内容としては運動療法が主です.また,入院がん患者の退院時には,生活活動能力(ADL)および身体活動量の低下による廃用症候群の進行を防ぐために,専門職(理学療法士または作業療法士)が家庭内での運動方法の指導等を行う必要があります.しかしながら,現在のところ外来患者に対するがん患者リハビリテーション料は算定できないため,外来化学療法を受けるがん患者に理学療法士または作業療法士が関わる機会が少なく,患者の多くは運動指導を受けていないのが現状です.患者向けに作成された一般的なパンフレット等の一部に運動の方法が紹介されているものの,あまり浸透していないようです.また,医師および看護師による指導(がん患者指導管理料3)は適切に行われているとはいえ,その内容は薬剤による副作用および栄養面に関する教育と指導が主であり,運動指導および生活指導に関する内容は少ないようです7).外来化学療法を受けるがん患者は不安が多いことが報告されており8),さらなる支援が必要と考えています. そこで,外来化学療法の現場のスタッフに理学療法士および作業療法士が加わって運動指導に取り組むことを計画しました.その取り組みの第一段階として,外来化学療法を受ける血液がん患者を対象とし,運動機能および身体活動量,ADL,QOLの評価を行い,患者が抱える運動に関する問題点を明らかにするとともに,患者のADL,QOL,運動に対する自己効力感(運動セルフエフィカシー),身体活動量に対する運動指導の効果検証を行います.
※長崎がん看護・リハビリテーションマネジメント研究会との共同研究です.
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運動指導と管理用にパンフレットを作成しました.
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